インドで社会現象になった映画『Lage Raho MUNNA BHAI』とは?
評価 ★★★★★
2006 インド 『Lage Raho MUNNA BHAI』(लगे रहो मुन्नाभाई, ラゲー・ラホー・ムンナー・バーイー)
監督: ラージクマール・ヒラーニ
主演: サンジャイ・ダット(ムンナー兄貴)、デヴィヤー・バラン(DJジャンビー)、アルシャド・ワールシー(サーキット)、ボーマン・イーラーニー(ラッキー)
この映画との出会いはWikipediaだった。あるときインド建国の父・ガンジーの記事を読んでいると。。
マホトマ・ガンディー - Wikipedia :
現代におけるガンディー
そのような状況の中、新たな形でのガンディー再考の試みが映画や演劇などの分野でなされてきている。なかでも現在インドで最も注目を集めているのが、2006年にインドで公開された『Lage Raho Munna Bhai』(लगे रहो मुन्नाभाई, ラゲー・ラホー・ムンナー・バーイー)というヒンディー語映画である。作品中ガンディーは、主人公である街のヤクザ者にだけ見える存在として登場し、DJとしてラジオで電話相談をする事になった主人公の口を通して街の人々に様々なアドバイスを与えている。
この作品は、いくつもの批判を呼び起こしながらも、人々が新たな角度からガンディーについて考え直す大きな契機を作り出す事に成功し、娯楽作品としての大ヒットも合わせて大きな注目を浴びた。特にこの映画中で提唱された「ガーンディーギリー」(गांधीगिरी, Gandhigiri)という言葉は、ガンディー主義を意味する旧来の「ガーンディーヴァード」(गांधीवाद)という言葉が帯びていた、「理念的過ぎて現実的ではない」というイメージを払拭する役割を果たし、にわかにインドでの流行語ともなっている。「ガンジーがラジオでDJ」? 「インドで大ヒット」? そして「ガンジーギリー」という謎のキーワード。め。。 めっちゃ観たい。。
しかしこの映画、残念ながら日本語化はされていない。アメリカでは英語字幕バージョンが売られているので、これを輸入するかどうか悩んでいた。
そんなある日、なんとニコニコ動画に日本語字幕付きの動画を発見! さっそく観てみたところ、笑いあり・感動ありのエンターテイメント巨編で、予想以上の大傑作だった!
【インド映画】 いいぞそのままムンナー兄貴 【字幕】
時空を超えてガンジーが現代に降臨、いま一度非暴力を説く!
あらすじ。
ムンバイのヤクザのボス・ムンナー兄貴と子分のサーキットは悪徳不動産業者のラッキーと組んで、悪行三昧の日々を送っていた。ムンナーはラジオの人気女性DJ・ジャンビーに憧れていたが、ある日ラジオの企画でガンジーのクイズ大会が開かる。なんと優勝者はスタジオで生ジャンビーに会えるという! ガンジーのことは「お札のじいさん」としか知らない兄貴だったが、インチキの限りをつくして優勝。スタジオでジャンビーに一目惚れする。ジャンビーに好かれようと、とっさに「自分はガンジー研究をしている歴史学の教授」と嘘をついてしまった兄貴は、ジャンビーにガンジーの講義をすると約束してしまった。
ガンジーはムンナー兄貴を通してムンバイの人々に「非暴力不服従」を説き、ラジオで問題を次々と解決していくが、ある日ジャンビーの住んでいた屋敷がラッキーに目をつけられ乗っ取られてしまう。いつものように暴力で解決しようとするムンナー兄貴に、ガンジーは「ラッキーに愛を説くのです」と言うのだった。
現代に蘇った「ガンジーギリー」(ガンジー的行動)とは? だれでもガンジーになれる!
劇中でガンジーは、非暴力で抗議し続ける「ガンジーギリー」(गांधीगिरी, Gandhigiri)を人々に勧め、問題を次々と解決していく。暴力ではなく愛に訴えることで、相手の「悪意」を自分への「敬意」と変えていく。ガンジーはこの行動は「困難な道で時間もかかるが、どんな問題でも必ず解決する」という。
映画の『ジャンビーの屋敷を奪ったラッキーに非暴力で立ち向かうムンナー兄貴』の構図は、そのまま『インドの自由を奪ったイギリスに非暴力で立ち向かったガンジー』に当てはまる。ガンジーの教えを現代的にカジュアルに解釈し直し、だれでも使える手法としているのが面白い。
インド映画っておもしろい
インド映画をちゃんと観たのは初めてなんだけど、本作はインド映画ならではのミュージカルシーンも非常にレベルが高く、スタイリッシュでまるで音楽のPVみたいだった。
俳優もみんなハマり役で、演技もよくて最高だった。特にムンナー兄貴と子分サーキットの下品でお馬鹿な掛け合いは良かった。突然「ガンジーが見える」と言い始めた兄貴を心配して、必死に自分もガンジーが見えている演技をするサーキットの兄貴思いの子分っぷりには泣けた(笑) ちょうどこの間観たばかりの「パルプフィクション」のマフィア2人組の掛け合いを思い出したけど、こういうのは世界共通みたい。
全体的に、最近はインドの人の感覚って以外と先進国とそんなに変わらないのかな、と思った。ただ、ラッキーが娘の結婚相手を勝手に決めてたのはインドっぽかった。最近のインドは恋愛結婚とどっちが主流なんだろう?
タイトルの意味とは
タイトル「Lage Raho MUNNA BHAI」の「Lage Raho」はGoogle翻訳によると「それを維持する」「これからも頑張って」というような意味になるらしい。たぶんLet it beみたいな意味? ニコニコ動画では「いいぞそのままムンナー兄貴」というタイトル。
ラージクマール・ヒラーニ監督
ラージクマール・ヒラーニ監督はこの映画のあと2009年に『きっと、うまくいく』(3 Idiots, 3バカに乾杯!)でインド映画の歴代興行収入№1を記録したらしい。インドに限らず世界各国でヒット・リメイクされている。こちらは正式な日本語版が出ているので今度観てみようと思う。
↓はUS版の輸入盤なので英語字幕のみ。正式な日本版の発売を期待!
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