評価 ★★★☆☆
一言で喩えると『奴隷からの開放! 超バイオレンス復讐西部劇』
2012 "Django Unchained"
タランティーノ監督の最新作。
タランティーノ監督らしくなく、今回はちゃんとストーリーがある。舞台は奴隷制度があった南北戦争前1858年のアメリカ。賞金稼ぎのドイツ人医師、ドクター・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)と、彼に開放された黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)の二人が、ジャンゴの奪われた妻ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を助け、彼女とジャンゴを離れ離れにした白人に復讐するために七転八倒の血みどろバイオレンス活劇を演じるという話。
アメリカの白人が黒人奴隷をいたぶるシーンが連続するが、これが白人の残虐さをえげつなく生々しく描いていて、かなりショッキング。ただ、メッセージ性が強いので、これもいつものタランティーノ映画らしくないように感じた。
戦闘シーンはそれまでの奴隷シーンでさんざん悶々とさせられた分、迫力十分&バイオレンス十分ですっきりはするのだが、全体としてはテンポがわるく、タランティーノらしいスピード感はイマイチ。特に最後の章は完全な蛇足だし、削っても全く問題なくできそうなのでかなり冗長だ。165分はかなり長すぎる!
ストーリー的にも、ジャンゴに同情して協力しているだけのはずのドクターのほうが活躍しているので、復習に燃えているはずの主役のジャンゴの主体性があまり感じられなかった。ジャンゴがなんとなく流されているように感じてしまうので、肝心の復讐劇らしいラストの開放感はいまいち。ちゃんとジャンゴが主役しているのは最後の蛇足な章だけ。。
みどころは黒人をモノとしか思っていない、悪役のキャンディを演じるディカプリオのケレン味たっぷりの悪っぷり! 全く救いようのない完全な悪を演じさせてもしっくりとくる、ディカプリオの演技の幅広さはホントに見事!
しかし、1858年といえば、今からほんの150年前。同じ言葉を話す人間をよく奴隷として扱えたな。。 いまでは黒人が合衆国大統領! この時代からは想像もつかない進歩だよね。
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