評価 ★★★☆☆
喩えるなら 『凡庸な自分への失望』
1984 アメリカ
天才だが人格破綻気味のモーツァルトと、彼の才能を妬むサリエリ。二人の宮廷作曲家が共に音楽によって身を滅ぼしていく物語。サニエリは周囲の誰よりもモーツァルトを評価するが、それが自分の凡庸さへの失望とモーツァルトへの憎しみへとつながっていく。
ただたら酒に溺れて壊れていく天才モーツァルトよりも、苦悩するサニエリが中心の映画だ。彼が間近で天才モーツァルトとの格の違いを見せつけられ、壊れていくさまがみどころで、モーツァルトの指揮する豪華で楽しいオペラのシーンも満載だが、160分はクラシック好きでない自分にはちょっと長くて後半ちょっと飽きてしまった。
19世紀のヨーロッパの宮廷の感じは、気合の入った再現度では見ていてすごく面白い。みんながみんなド派手な衣装を身にまとい、白髪クルクルパーマのカツラをかぶっているさまは、現代の感覚からするとちょっと笑ってしまう。